委嘱作品を納品

 原です。

 期日に無事、委嘱作品を納品した。
 本当に最後の最後まで、楽譜の校正をやっていたけどね・・・、それでも最初の音出しの時にミスが見つかるんだから、恐ろしい。

 第1稿からまたさらにだいぶ加筆し、結局9分弱くらいの曲になった。
 様式的には自分の今までの書き方とはだいぶ違うやり方をしたので、いろいろと学ぶことも多かったし、技術的に習得した部分もそれなりにあったとも思う。


 今回は委嘱の際のリクエストの関係で、全く同じB♭のクラリネットが6本という編成を採用したため、とにかく一つ一つの楽器を運動させるしか方法がない、と考えた。
 で、結果として、それはこの間のオケの曲とは正反対のものが求められ、自分にとっていいチャレンジとなったのだが。

 まあそんなわけで、今回は、テンポ80の32分音符のような細かい音符を多く詰め込み、全体的に忙しく動的な音楽を試みた。
 イメージしたのは非常に小さい虫や微生物などの細かく不規則な忙しい動きだ。
 ひょっとしたら人間の動きも宇宙からみればそんなふうに見えるかもしれない。

 重要だったのは、そういう宇宙のような別の大きい時間感覚とのコントラストを示し、結果として細かい運動が巨視的な世界観に吸い込まれていく様を描くことだった。
 せかせか生きている虫や人間、またそれとは全く違う宇宙的な圧倒的な時間の流れ、それらを対比させ、そこに感じられてくる無常感みたいなものまで表現できれば、なおいいと思った。それが実現できているかどうか・・・?


 作曲は終わったばかりだが、次の曲の構想がどんどん膨らんできている。
 次に自分に求められているのは、おそらく、音響的な創意の発露、そして単体の楽器それぞれへの自律性の増大、そしてイメージの拡張だろう。

 特にイメージについてはよく考えさせられる。
 それの拡張なくして作曲はやはりダメだ。

 いかに面白いイメージを抱けるか、そしてそれをいかに実現できるか、やはり結局それ以上に重要なことなど作曲にはない、と思う。

 それでは。

この記事へのコメント