赤松クニユキ 「クリームパン」の制作

 もうそれなりに前になってしまったが、サンダルバッヂで共に活動したヴォーカリスト、赤松クニユキのアルバム「クリームパン」の制作に参加した。
 バンドにこだわってきた彼の、記念すべき最初のソロアルバムになった。

 僕が担当したのは、ほぼすべての曲のアレンジと、レコーディングやミックスのディレクションである。


 赤松の曲作りの良さやクセ、また歌詞で彼が表したいイメージ、というのは恐らく自分は非常によく理解しており、まあ自分で言うのもなんだが、適任なのは明らかではある。


 彼の曲は決してバラエティに富んでいるわけではない。
 むしろずっと同じ何かを追い求めているような感じすらある。それは少し狂おしいほどに。

 その彼の言いたいことをしっかりとストレートに伝えながら、少しだけそこに僕なりの広がりや音楽性を与えていく、そして彼の今アップトゥデイトな好みを反映していく、また時代性との擦り合わせをしていく、そういう作業だった。

 
 5曲どれもがいい曲なのだが、一つ本当に名曲といってもいいような曲がある。
 アルバム1曲目の「目黒川」という曲だ。

 作る前に聴いていた時から、この曲だけは本当に名曲にしなければならない、という使命感に駆られた。
 これを良いものにしなければ、赤松に悪いというよりは、音楽に対して悪い気がした。

 細心の注意を払って、イマジネーションを以てアレンジし、レコーディングやミックスの時も出来る限りのディレクションはした。それに対して、この曲だけではないが、ピアノの後藤さんをはじめ演奏者の方々も見事に応えて頂いた。ミックスの際にはエンジニアの石田さんもだ。本当にありがたかった。

 あとは聴いてくれた人達が名曲だと思ってくれるかどうかでしかないが。

 彼の音楽は、同じ的をずっと射抜こうとしながらも、らせん運動のように少しづつ高みに登っている。
 ある種の成熟も見えてきたような気もする。そんな中での一曲なのだと思う。


 このアルバムはサンダルバッヂの彼しか知らないならば少し驚くようなアルバムでもあるし、この先の彼に期待すべき何かを感じさせるアルバムでもある。

 また一人の成熟した個性を持ったシンガーソングライターの作品として、彼を知らない人にも十分訴え得るだろうと思う。

 出来るだけ多くの人に聴いてほしいし、聴く価値はある。

 それでは。



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